• コラム
    » 2022年05月04日 08時02分 公開

    食欲が減退する「青色」なのに、なぜ「青い富士山カレー」は18万食も売れたのか水曜日に「へえ」な話(1/5 ページ)

    青色をした「青い富士山シリーズ」が売れていることをご存じだろうか。カレーもパンもチョコもビールもヒットしている。食欲を減退させる「青色」なのに、なぜ人気を集めているのか。その秘密を取材したところ……。

    [土肥義則,ITmedia]

     「ちょ、ちょっとこの色はなに? 食べることができないよ」――。食欲を減退させる色があることを知っている人も多いはず。「青色」である。

     自然の中に「青色」が存在しないこともあって、人は青い食べ物を見ても、脳が「これはおいしくないぞ〜」と勝手に判断すると言われている。が、そんな本能ともいえる意識に逆行するような形で、青色の料理を次々に開発して、ヒットを連発しているブランドがある。富士山プロダクト(山梨県甲府市)が開発している「青い富士山シリーズ」だ。

     2018年4月、カフェで「青い富士山カレー」(1000円)を発売したところ、予想を上回るほど人気が集まった。その後も「青い富士山カレーパン」「青い富士山クリームソーダ」「青い富士山〈生〉」「青い富士山チョコクランチ」などを開発し、いずれもヒットしているのだ。

    2018年4月に「青い富士山カレー」を発売
    食欲を減退させる色でも、多くの人が注文している

     「はいはい、奇をてらった商品ね。試しに買う人もいるけれど、リピーターは少ないでしょ」と思われたかもしれないが、実は違う。例えば「青い富士山カレー」は累計18万食も売れていて、いまでも品薄状態が続いていたり、「青い富士山カレーパン」は「カレーグランプリ2020」の東日本焼きカレー部門で最高金賞を受賞したり。見た目だけでなく、味も評価されていて、ファンが増えているようである。

     それにしても、なぜ青色の食べ物を発売しようと思ったのだろうか。富士山プロダクトの芦澤貴広さんに聞いたところ、キーワードとして「新規事業」と「観光」が浮かんできた。同社の母体「フォネット社」は携帯電話の販売などを手掛けているが、大きな課題がひとつあった。「携帯電話を販売しているだけでは会社の成長に限界がある。新しい事業に進出しなければいけない」と考え、そこで「観光」に注目したのである。

     山梨県が所有する観光施設の運営を任されることになったが、集客面で苦労する。「なんとかせねば」ということで、施設内にあるカフェで新しいメニューを開発することに。しかし、同社にとって観光施設を運営することも、メニューを開発することも、初めてのこと。なにから手をつけていいのか分からない中で、周辺にあるレストランなどを見て回った。

     「このメニューはアリだな」「いや、こっちの料理のほうがウケるかも」といった話をしていた中で、気になるモノがあった。「カレー」である。土地柄「富士山」と銘打ったモノがたくさんあって、多くの店は、ごはんを富士山の形にして、そこにルーをかけて「富士山カレー」として提供している。「自分たちは異業種から参入しているので、同じことをしても勝負にならないと考えました。であれば、外食を手掛けていない自分たちだからできることは何かを考えターゲットに注目しました」(芦澤さん)

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